こんばんは。帰りに「達人の生」とかいうアオリにひかれて、缶ビールを買ってしまった、中年デュマです。
今日、珍しく印刷業界の動向とか、業界内M&Aとか、そんな情報収取をしてしまいました。手待ち時間です。フレックスなら、そのまま帰ってしまうのに!
最近、ニュースで「後継者不足倒産」「人手不足倒産」なんて言葉を耳にすることも増えました。
ニュースだけですと、どこか縁遠い感はあるのですが、身近な人から聞くと、急に現実味をおびてくる、そんな事ありませんか。
久しぶりに先輩(昔の勤め先)から連絡がありました。
先輩は会社辞めてからずっと派遣だったんですが、今の派遣先が3月で会社をたたむ、との内容でした。それだけならお疲れさまでした、という所なのですが、
そこに記されていた理由が、
「出力の人間が辞めることになったから」廃業する、
というものでした(あっ、と思われた方、同業者ですねw
出力というのは、印刷するための刷版(板、ハンコなんて呼ばれてます)を、CTPレコーダーという大きな機械から出力する仕事です。
ですが、この出力業務、担当者に対する信頼やら信用、なんてものが重視される部署でもあるのです。
印刷に直結する部署ですので、何か間違えたり、トラブルが起こると、即、印刷事故にとなる可能性があるのです。また、DTPデータや印刷に関する知識も必要になります。単純作業ではありますが、問われる内容は多岐にわたります。
(※ちなみに印刷事故とは、労災的な事故ではなく、製品の出来具合に関するものです。誤植とか写真の間違いとか)
この出力するための演算機(Rip)はいくつかメーカーがあり、使用するための設定も各社独自のルールが多いのが実情です。
およそ大きな会社では制作と出力に分かれていますが、小さな会社では、出力と制作兼務だったり、出力は一人しかいない、という所も多いです。
また進行管理の役針も担っていることが多く、現場のリーダーになる(やらされる)ことも多いです。
派遣雇う会社ならば、その出力する人間を派遣で雇えばいいじゃない。そう思います。
作業の明確化、マニュアル化、自動化が進んでいる会社なら可能でしょう。実際、経費削減のためにもそうしていると思います。
しかし、ほとんどの中小印刷会社では、つらつらと述べてきた事情もあって、それが難しいのです。
そして、リスクには気づきながらも、何もやらず、また何もできずに…その日が来てしまう。
急募しても、ピタリとはまる人材が得られるとも限りません。印刷業、ベテランほど会社を動かない傾向強いですし。会社側も、そう易々とは手放しません。
(ところで、辞める意思明確な人、むしろ労働の提供を拒否している人を無理やり働かせ続けたら…これ、労基法で一番罰則の重い、強制労働になったりするんですかね)
じわじわと先細るしかない印刷業は、人、モノ、カネでリスクヘッジできない所から退場することになります。
人手不足倒産、決して他人事ではないようです。もしかしたら、すぐそこに来ているのかも…。
それでは、おやすみなさい。