こんばんは。今日は自家製炭酸水の、中年デュマです。
ペスト、読み終わりました。
いやはや、大作ですね。長い。
翻訳本にありきたりなまわりくどさもあり、
いや、もしかしたらカミュ自身の文体なのかもしれませんが…
けっこう、読むのに時間かかりました。
きっとフランス語の原文で読めば、
ノーベル文学賞作家の、文章の味わい深さ等もわかるんでしょうね。
市がロックダウンされるまでは、
まるで今の状況を見ているかのようでした。
知事や、医師会的な所のエライ人たちの、決断力のなさ。
その背景ににおわせる、責任回避の発言。
都市が閉鎖されてからは、主人公の医師を中心とした、
ペストとの戦いの中でつながった人々との話に焦点を当てつつ、
ペスト禍の都市の様子についての解説をはさむ感じです。
現代ニッポンでみられるような、
不謹慎厨や正義警察が活躍する話ではありませんでしたww
法の目をかいくぐって、密売で利をあげる人物がでてきます。
たまたま町にいたために外へ出られなり脱走を試みるも、
人々との出会いを通じて、ペストとの戦いに協力する新聞記者。
そんな面々も登場します。
読了後の感想。
きっとコロナ禍が収束へ向かっても、
世の中は変わらないし、変わることを望まないんだろうな、と。
* * *
「○○が変わる!」として、コロナ後を語る記事、多いです。
でもよく考えてみると、リーマン後も、震災後も、
そんな記事はゴマンとありましたが…
出来事の前後で、何か劇的に変わった、という記憶がないです。
「方丈記」の書き出しを持ち出す必要もなく、
元に戻る、ということ決してないでしょう。
が、劇的に何かが変わる、ということはない。
コロナ後は、きっと色々変わるんだろうな…と思ってましたが、
この「ペスト」を読んで、私はそんな風に思い始めました。
そんな記事を書く方、そしてそういう記事を支持する方。
日ごろから色々な努力をされてる人や、
能動的に変化を求める人でしょう。
きっとアフターコロナを考え、GWも怠惰に浪費せず、
自己研鑽に励んでいることでしょう、
※残念ながら私は、ここからの落伍者のようですww
が、ほとんど大多数の人は、コロナ後は、
(限りなく)元の生活に戻ることを望んでいると思っています。
そもそも普段から変化より現状維持を望み、
コロナ収束宣言が出たその時から、
何も変わらぬ風を装っていくことでしょう。
今のコロナ禍は、小説の中と状況も規模も違います。
しかし、人間の思考や行動なんてものは、
194X年のオラン市の人々と大して変わらないと思います。
なかなか手に入りにくいですが、
ぜひ本文を読んででみてください。
* * *
今もてはやされているテレワークも、
定着しないまま、元の勤務形態に戻っていくと思います。
天災又はトラブル時の緊急対応、程度で終わってしまうのでは。
そして朝夕の通勤電車も、今まで通りの三密に。
むしろ満員電車に懐かしさを覚えるかもしれません。
失業者が増えることはあっても、
大恐慌の絵図のように市中にあふれる、ということないでしょう。
そしていずれは、どこかに労働力として吸収されていくことでしょう。
はたまた、コロナでの遅れを取り戻すため、無理な受注をし、
上限規制突破の長時間労働が横行するかもしれません。
変化を望む人より、望まない人の方が多い。
であれば、流れは、多数派の方に修正されていくのではないでしょうか。
が、その後ろでは、着実に変化の動きが進んでいく。
そもそも変化しないものなんてない、わけですから。
そして色んな人が、手遅れになったことに気が付いた時、
きっとこの2020年のことを思い出すんでしょう。
「あの時のコロナ禍が、変化のきっかけだったのか…」と。
今できることは、まず目の前の仕事に打ち込むこと。
感染拡大を防ぐため、できうる対策は行うこと。
ただの一般ピープルである私にできることは、それぐらいです。
GWはステイホーム!!!!!!!!!
明日からは「一九八四」よみます。
それでは、おやすみなさい。